行政書士に相談・依頼したときの料金相場とは?

行政書士は、内容証明郵便作成や、国籍取得届の手続きなど、多岐にわたる業務を行っています。
かなりバリエーションが豊富な業務だからこそ、ひとつひとつに料金表を明示しているしている行政書士は少ないものです。
そこで今回は、行政書士に相談した際の料金の平均値を調べてまとめてみました。

「行政書士に仕事を依頼を検討しているが、どれくらいの料金になるのか事前に知りたい」という方にとって、具体的な指標になる料金相場として参考になるでしょう。



行政書士に相談・依頼したときの料金の平均値とは?

ここでは、日本行政書士連合会による2020年の統計を参考に、行政書士に仕事を依頼した際の平均値をご紹介していきます。

自動車保管場所証明申請書の作成(登録車車庫証明)

新車や中古車の登録自動車を購入する場合や、登録自動車を所持する使用者が住所を移転した場合などには、自動車保管場所証明申請をする必要があります。
簡単な手続きなので自分ですることもできますが、その手続きを行政書士に依頼した場合には、料金の平均値は13,330円です。


国籍取得届等の手続

日本の国籍取得を望む方のなかには、日本語が堪能でない方もいらっしゃいます。
そういった場合でも、外国語が話せる行政書士に依頼することでスムーズに国籍の取得が可能になります。手続き料金の平均値は120,000円です。料金相場については大体その位だと思っておきましょう。


マンション管理規約作成

共同生活を快適に営むために定めなければいけない各マンション個別のルールですが、分譲マンションですと、時代に合わせて新たにマンション管理規約の再作成や見直しを行わなくてはいけません。
そんなマンション管理規約の作成も行政書士に依頼することができ、料金の平均値は134,462円となっています。


遺言執行手続

故人の遺言があれば、その確認を行った後に、実際にその意思を汲み取った財産整理を行うことになります。
ただし、財産が多数ある場合、遺言の執行はトラブルが発生しがちです。そこでトラブルを防止するために、第三者である行政書士に依頼するケースも多いのです。行政書士に遺言執行手続きを依頼した場合の平均金額は384,504円です。


相続人及び相続財産の調査

遺言などがないケースもあります。さらに、財産は多数あるが検討がつかない、また相続人の所在も掴めない、ということもあるのです。
そのようなケースであれば、行政書士に相続人や相続財産の調査を依頼することもできます。その依頼についての平均金額は63,747円です。とはいえ、財産の多さや難易度によっても相場の変動は大きい業務でしょう。


離婚協議書作成

離婚協議の内容をしっかり書面として残しておきたい、というニーズは多くあります。
口約束だけではなく、慰謝料や財産分与、養育費、面会権などについて定めた書類は、離婚したあとでも大いに役に立つでしょう。この作成を行政書士に依頼した場合の平均金額は57,624円です。行政書士などの第三者を間にはさまずにふたりで作成する、という方法もありますが、やはり法律のプロに依頼しておいた方が安心です。


内容証明郵便作成

郵便局という第三者の機関が、文章として書かれた内容を証明してくれる制度である、内容証明郵便は様々な形で使われます。
未払い金の請求や、契約の取り消し請求をするためにも使われますが、たとえば、配偶者の不倫が発覚した場合であれば、浮気相手の内容証明郵便を送ることで慰謝料を請求することができます。
内容証明郵便は素人でも送ることができますが、行政書士に内容を精査してもらうと安心です。依頼した場合には、平均で21,141円かかります。


建設業許可申請

1件の請負代金が1,500万円以上、かつ延べ面積が150u以上で、木造住宅以外の工事を請け負う方は、建設業許可申請をしなくてはいけません。この申請も行政書士の業務範囲です。
個人で新規に依頼した婆には、平均120,458円かかり、法人で新規に依頼した場合には平均137,618円かかります。会社のつきあいや紹介などによって、料金相場は変わるかもしれません。


飲食店営業許可申請

食品衛生法に基づき、新たに飲食店を開業する際には、飲食店営業許可を保健所に申請しなくてはいけません。
手洗いの位置なども厳密に決まりがあるものなので、店の内装や間取りについても届け出なくてはいけません。この申請手続きを行政書士に一任した場合、平均で47,251円かかるようです。


深夜酒類提供飲食店営業開始届出

飲食店のなかでも「深夜0時以降も酒類を提供するバーを出店したい!」と考えた場合には、さらに「深夜酒類提供飲食店」という区分になります。
この場合には営業開始届けを警察署にも出さなくてはいけません。この営業開始届出を行政書士に依頼した場合、平均で87,628円かかります。


古物商許可申請

最近は、個人で“せどり”を行っている人が増えています。
個人でも法人でも、中古のものを商品として売買する際には、古物商許可申請を管轄の警察署に提出していなければいけません。これらの申請を行政書士に依頼した場合、その料金の平均は53,585円です。


住宅宿泊事業届

急速に増加している民泊事業は、住宅宿泊事業法(民泊新法)によってきちんとルール化されました。住宅宿泊事業を行うには、都道府県知事等に申請を行う必要があります。
この住宅宿泊事業届を行政書士に依頼すると、平均で139,751円かかるようですが、あくまで平均値なので料金相場の参考になさってください。



行政書士の報酬には決まりがない

実は、基本的には行政書士の報酬には決まりがありません。
今回紹介した金額は、あくまで平均金額を相場と紹介したものです。繰り返しますが、あくまで平均値ですので、もっと安い料金のところもあれば、もっと高い金額で依頼を受けている行政書士もあるでしょう。

これらの金額を相場と考えたうえで、納得できる範囲の金額を提示してくる行政書士に依頼しましょう。
依頼を決定する前に、複数の行政書士から見積もりを取ることもおすすめします。